日本神話における神々の系譜と時系列
日本神話における神々の系譜と時系列は、古事記や日本書紀などの古代文献に基づいていますが、解釈や伝承の違いにより、必ずしも一意に定まるものではありません。以下では、一般的な解釈に基づいて、主要な神々の系譜と時系列を詳しく説明します。
天地開闢
日本神話は、宇宙の始まりである天地開闢(※てんちかいびゃく)から始まります。この時期に現れた神々は、以下の通りです。
※天地ができて世界の始まりの意味
造化三神
宇宙の始まりに現れた三柱の神々(造化三神:ぞうかさんしん)で、親子関係は不明です。
- アメノミナカヌシ(天之御中主神):宇宙の中心に現れた神とされ、全ての存在の根源とされています。
- タカミムスビ(高御産巣日神):高天原に現れた神で、創造と生成を司る神とされています。
- カミムスビ(神産巣日神):万物を生み出す神で、タカミムスビと共に創造の力を持つとされています。
神世七代
造化三神に続いて現れた七代の神々(神世七代:かみよななよ, かみのよななよ)です。最初の三代は独神(ひとりがみ)で、後の四代は男女一対の神です。
- ウマシアシカビヒコジ(宇摩志阿斯訶備比古遅神):独神
- アメノトコタチ(天之常立神):独神
- クニノトコタチ(国之常立神):独神
- トヨクムヌ(豊雲野神)とウヒジニ(宇比地邇神):男女一対の神
- ツヌグイ(角杙神)とイクグイ(活杙神):男女一対の神
- オトマビ(意富斗能地神)とアヤメグイ(大斗乃弁神):男女一対の神
- イザナギ(伊邪那岐神)とイザナミ(伊邪那美神):男女一対の神
国生み
神世七代の最後の世代であるイザナギとイザナミは、日本列島や多くの神々を生み出した夫婦神として重要な役割を果たします。
イザナギとイザナミの主な子神
- アマテラス(天照大神):太陽神であり、皇室の祖神とされています。
- ツクヨミ(月読命):月を司る神です。
- スサノオ(須佐之男命):海原や嵐を司る神です。
- ヒノカグツチ(火之迦具土神):火を司る神で、その誕生によりイザナミが命を落とすことになります。
- オオクニヌシ(大国主神):出雲の国を治めた神とされています。
天孫降臨
天孫降臨(てんそんこうりん)は、天照大神の孫であるニニギが高天原から地上に降り、日本の統治を始めたとされる神話的な出来事です。
ニニギ以降の系譜
- ニニギ(瓊瓊杵尊):アマテラスの孫で、天孫降臨を行った神です。
- ヒコホホデミ(彦火火出見尊):ニニギの息子で、海幸彦として知られています。
- ウガヤフキアエズ(鵜葺草葺不合命):ヒコホホデミの息子です。
- ジンム(神武天皇):ウガヤフキアエズの子で、初代天皇とされています。
補足
- 上記は主要な神々のみを抜粋したものであり、日本神話には他にも多くの神々が登場します。
- 親子関係や系図には諸説があり、文献や地域によって異なる場合があります。
- 神々の名前は、漢字表記や読み方が複数存在する場合があります。
- 日本神話の解釈は時代と共に変化しており、現代でも新たな研究や解釈が行われています。